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糸谷哲学

直感は経験の集積から成る分析


002.真部一男、藤原直哉、糸谷将棋を語る

将棋世界 2006年 11月号 [雑誌]」の「将棋論考vol.117 (真部一男)」より

清野流岐阜戦法
高校生棋士、糸谷哲郎四段が第37期新人王戦で優勝した。18歳0ヶ月は史上二番目の若さで、1位は森内名人の17歳0か月、ちなみに3位は羽生善治3冠で、18歳1ヶ月。同棋戦優勝者は糸谷で26人目。そのうち15名がタイトル獲得、棋戦優勝、あるいはAクラス入りを成し遂げている。 新人王に就いた者は単純計算では26分の15、5割7割7分の率で一流棋士になっていることになる。 糸谷には勝負師的なふてぶてしさがあり、上位棋士にはやりづらさを感じるだろう、これから楽しみな若手の一人だ。

【当サイト管理人による補足】
真部一男プロはその才能を大きく買われた逸材であり、将棋センスに秀でた、スマートな棋士だった。そういう棋士からみた糸谷哲郎プロの将棋というのが上記の文章となる。新人王になったという事実をもって5割以上の確率で一流棋士になると記している。

将棋と哲学の両立は、将棋棋士の忙しさを思えば失礼ながらに難しくはないと思う。将棋棋士の実稼働日数よりも働いている人は、稼ぎの多い職業においても相当数いるからだ。

「糸谷には勝負師的なふてぶてしさがあり」というのが糸谷将棋のポイントの一つだろう。こういうタイプが収まる場所は単純にいえば鈴木大介コースか、田村康介コースか、ということになるが順位戦での時間の使い方を見る限りでは、前者のように思われる。

棋界初の「A級・タイトルホルダー兼大学教授」というのを是非目指して欲しいところだ

将棋世界 2006年 11月号 [雑誌]」の8月名局セレクション 選局・解説 藤原直哉六段「個性のぶつかり合い」より

怪物、大物新鋭の糸谷と、中堅野田の一戦。筆者の目からは、この二人は対照的に映る。パンチ力のある攻め、早見え早指し、一手指すたびに席を立つ糸谷。 (中略)振り飛車に右玉が得意という糸谷。過去にさかのぼっても、灘蓮照先生以来ではなかろうか。

【当サイト管理人による補足】
この藤原直哉プロによる言葉は、初期の糸谷将棋を端的に示している。昔の関西流の長引かして混沌とさせて勝つ、という味は備えつつも、ストレートによくなればその攻めの強さが目立つ。早見え早指しの才能は初見の局面においてもその強さを発揮するが、良くなってからの指し進め方にも当然威力を発揮する。後手番の苦境が明らかになればなるほど、糸谷将棋のこの二面性は先手番での勝率を高め、後手番ならではの特異な世界において個性を盤上に示すことだろう。

今時点で糸谷哲郎プロはその自身の後手番の命運を一手損に託している。特に最近見せている相早繰り銀の世界は彼独自のものであり、その異様さとその裏に隠れている研究量を想像するだけで私はゾクゾクするのである。

ちなみにこの名局セレクションの棋譜がなかなか酷い(苦笑)。初期の糸谷将棋に見られるクソ粘り系のものであり、感想戦なく対局は終了している。しかし繰り返すがこの粘れる能力というのが必ず今後、後手番の苦境が明らかになればなるほど、重要になっていくだろう。

次回更新に続く…

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