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糸谷哲学

直感は経験の集積から成る分析


003.糸谷哲郎、18歳時点の自己分析

将棋世界2007年01月号」のインタビューより

002.記録係に価値を感じないの続きです。

この後、如何にも18歳の若者らしい青春の甘酸っぱさを感じさせる発言が続くのだが、主に自身の将棋についての18歳時点の分析、のような部分のみに焦点を絞って引用したい。その当時に語っていたものをみると、将棋において確実に進化していることが分かった。

●プロになってから20勝4敗。これだけ勝っている状況をご自分ではどう分析されていますか。
「実力以上に勝っていると思います。逆転が多すぎるので、相手のミスというか、僥倖に頼って戦っている部分が大きい。」

●そんなに逆転が多いのですか。
「奨励会の時も、ありえない逆転勝ちをさせてもらったことが何度もありましたからね。『人間は間違えるもの』と決めて掛かっている部分はあります」

●大山先生っぽい思考ですね。
「大山先生とは違いますよ。大山先生は間違えさせるくらいのことはできるんでしょうけど、僕は相手が間違えてくれるのをひたすら待つだけですから」

●プロになって、自分が強くなっている実感はありますか。
「それはありません。ただ、上がっていないと困ります(笑)。さすがにまだ10代なので、ここで打ち止めになってしまうのはちょっと」

●糸谷さんは自分の棋風をどのように捉えていますか。
「攻めっ気が強いとは思います。ただ最近は、受けているほうがいい結果を残せていますね」

●居飛車党ですが、相振りも何局か指されていますね。
「純粋な相振りじゃなくて、右玉や腰掛け銀の形ですけどね。それだったら居飛車の経験が活きるので。一応、一手損角換わりを得意戦法にしているので、後手番は振り飛車にする必要性がないんです」

●糸谷さんは理論派というより、勝負派の気がします。
「研究不足なので、理論派になりきることが出来ないんですよ。やっぱり、ここ(広島)じゃ最新情報を入手することが厳しいので、自然に実戦派にならざるをえません」
※この辺りは大学進学後、一人暮らしを始め、学業との両立は続いているものの、関西若手陣による研究会により最新情報の入手及びその深掘りでかなり研究家的な側面を現時点では強めている。序盤の研究派の側面と悪くなった場合の持ち前の粘りの二枚腰が確立しているのではないか(当サイト管理人の補足)。

●糸谷流右玉を指すときに「こういう対策で来られるのはイヤだ」というのはありますか。
「あんまりないですね。欠点を認識すると使えなくなってしまうので。ただ自玉が薄いので、多少よくても一手のミスでひっくり返ることがあります。逆転されやすいのが欠点といえば欠点なんでしょうけど」

●これから目指すにあたって、今の自分に足りないものはありますか。
「粗さを直さないといけないと思います。仕掛けのところで思いつきで指したり、読みぬけがあったりするので」

●具体的な目標はなんですか。
「タイトルです。ただ、どこまで行っても通過点でしかないとは思いますが」
※ここも不遜な印象を与える可能性のある部分だが、単純にどこまで行っても頑張り続ける、精進が必要である、程度のニュアンスだろう(当サイト管理人の補足)

将棋世界2007年01月号」のインタビューではこの後、もう少し続くのだが、誰しも若い頃の言動を若気の至りとして顔を赤らめることがあると思う。その類の話(要は恋愛話というかどういう女性がタイプか?というような話)になりうる部分なので割愛する。次回は四段になった頃のエピソードが記されているものから引用する予定。

将棋世界掲載の「昇段の記」に続く…(次回更新にて)

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