糸谷哲郎八段 応援サイト

糸谷哲学

直感は経験の集積から成る分析


006.準優勝男なのか?!

【新人王獲得まで】
新人王を獲得した将棋棋士の将来は、半ば約束されたようなものだ。 新人王獲得棋士のその後のA級orタイトル獲得・棋戦優勝への到達率はうろ覚えだが0.570を超えているはず。故・真部一男プロが、 糸谷哲郎の新人王獲得時の将棋論考の連載にてその旨触れている。…と思ったら自分で取り上げていた。

以下は当サイトに以前掲載したその件に触れている記事。002.真部一男、藤原直哉、糸谷将棋を語る

これをみると5割7分7厘の確率のようだ。しかも獲得年齢の若さから、大物であることがわかる。

【その後の活躍?】
以下はウィキペディアの糸谷哲郎のページより引用。

第59回(2009年度)NHK杯戦で、永世名人の資格を持つ2名(谷川浩司九段、森内俊之九段)と 永世竜王の資格を持つ渡辺明竜王を破り、永世名人の資格を持つ羽生善治名人と決勝で戦う。

解説役として出演した谷川浩司は、「羽生が(1988年度の第38回で)名人経験者を次々と破って 初優勝をしたときと似ている」とコメントしたが、敗れて準優勝となった。なお、準決勝の対・渡辺戦では、 糸谷得意の早指しに渡辺も早指しで対抗して対局が早々と終了したため、放送時間の後ろに久々に 臨時番組が挿入された(「NHK杯将棋名局選」 = 丸田祐三九段による昔のNHK杯戦の解説)。

次の第60回(2010年度)NHK杯戦では前回準優勝により第2シードとなり、2回戦からの登場。またも 決勝まで勝ち上がったが、再び羽生に敗れて準優勝。なお、準決勝では丸山忠久を39手で破ったが、 これはNHK杯戦本戦の最短手数記録である。

第36期(2010年度)棋王戦本戦で、羽生、丸山らに勝ちベスト4進出。棋王戦の準決勝以降は2敗失格システム であるが、窪田義行、渡辺に敗れ、タイトル挑戦権獲得を逸する。

他棋戦での活躍に対して、順位戦では初参加(第65期・2006年度)から4期は昇級争いに絡めずにいたが、 5年目となる第69期(2010年度)で佐藤天彦(10戦全勝)に次ぐ9勝1敗・2位の成績でC級1組へ昇級。 2011年9月、第19期銀河戦で準優勝。

二度のNHK杯準優勝。そして棋王戦ベスト4進出。銀河戦での準優勝。
得意の早指しや相性が良い と思われる棋王戦(今期もベスト4に残っている)での健闘。これらを活躍とみるか、或いは勝負弱さと見るか?

【当サイト管理人のコメント】
ファンの贔屓目だろう、と言われてしまえばそれまでなのだが、私はこれらを活躍であると見ている。 各世代に所謂「準優勝男」と呼ばれる勝負弱いタイプ(或いは結果としての勝負弱さを見られてしまうイプ)が 存在するのは事実だ。

しかし、糸谷哲郎の場合は負けている相手が羽生・羽生・窪田・渡辺という年上の元小学生名人トリオ。 窪田を除いては実績が違いすぎる。寧ろ他の若手が上位に食い込めないほどの厚い層を突き抜けての準優勝であると 見ることが出来る。 窪田戦についても、定跡形で序盤から押し切るような将棋ではなく、むしろ窪田ワールドの中に入り込むような、 そういう戦いだった。

というわけで、糸谷哲郎はシルバーコレクター、準優勝男では断じて無いと言いたい。 全体的に粒ぞろいの糸谷哲郎周辺の棋士たち(豊島将之・稲葉陽)もタイトル挑戦手前や獲得失敗が 目立つように見えるが、それもこれも、単純に将棋界という脳みそアスリートの世界における、 先輩たちの層が分厚い、というだけだろう。

今期も順調に、20-9と勝ちまくっている(11年11月5日現在)。 そして第37期棋王戦の挑決トーナメントでは 今年もまた、ベスト4に残っている。逆側の山が郷田vs中川、コチラ側の山が糸谷vs広瀬。 広瀬との対戦は昨年の銀河戦で1局あり、第19期 銀河戦  Cブロック 6回戦がそれ。 戦型は先手の振り飛車模様に、謎の引き角戦法となり、序盤で一本取り、実戦的な穴熊に対して優雅な構えから、 相手の無理をいなしての勝利となっている。今回もまた、対振り飛車になる可能性が高いように思う。

次回更新に続く

ダニー語録・ダニー評伝へ戻る



inserted by FC2 system